【コラム】小説(国語)での人物の心情説明について〜その1〜
2017.09.28
以前,国語の小説の解答についての記事を書いたことがありました。ちょうどその日に生徒さんから「国語の解答って無限にあるんじゃないですか?」と質問されたからでした。そのような質問を過去にもされたことがあったので,同じ疑問を持つ中学生や高校生の方に何か参考になればと思って私の考えを書かせてもらいました。
今回はその続きとなり,小説の心情説明はどのように解答を作ればいいのかについて私が知っていることをみなさんに共有できればと思います。
国語の記述問題が苦手だと悩んでいる生徒さんに共通すること
それは,解答を書く時に計画なしで漠然と答えを書こうとすることです。例えば,「A君の心情を説明しなさい」という問題があった時に頭の中で「A君のこの時の気持ちは○○だなぁ。じゃあそんな風に書こう」と思って書いてしまいがちです。たとえA君の心情が○○で正解していたとしても,このまま書き始めると結果的に減点されたり悪い時にはバツになってしまったりします。ではどうしたらいいでしょうか?
解答を作る前に解答の「型」を理解する
まずは,心情説明をする時には次の2つの組み合わせで解答を作るといいということを覚えておくと解答を作りやすくなります。それは,⑴心情(気持ち)と⑵その心情(気持ち)になった理由やその心情(気持ち)の対象です。そして,この二つは「⑵+⑴という気持ち。」というふうに組み合わせて一つの「型」となります。
たとえば,こんな時には
たとえば,A君がB君に本を貸したとします。でも,B君はその本を失くしてしまいます。ある日,A君が貸した本について感想を聞いた時にB君がその本を失くしたことを打ち明けます。その時,A君がB君に対して「なんてことをするんだ!」と怒鳴りました。
さて,「この怒鳴った時のA君の心情を説明しなさい」という問題があったらみなさんはどんな解答を作りますか?
「型」にしたがって2つの要素(部分)を探す
上で説明した「型」に基づいて解答を一つ一つ作ってみましょう。まず⑴心情についてです。心情は「怒鳴りました」とあることから,例えば,私の場合は怒る気持ちというのが思い浮かびました。この通りでなくても,こういった方向の心情表現であれば記述式でも自分の言葉で大丈夫です。この点については以前の記事で説明しました。
そして,もう一つの⑵その心情(気持ち)になった理由やその心情(気持ち)の対象についてどうなるでしょうか?先ほどの怒る気持ちを元に考えると,「怒っているのはどうして?」とか「何に怒っているのか?」と質問して考えてみると,心情の理由や対象が見つかります。すると,「B君が本を失くしたから」とか「B君が本を失くしたことについて」といった理由や対象が私の場合は見つかりました。
〜その1〜のまとめ
ここまでの話をまとめると,以下の2点が要点です。
・2つの要素(部分)を理解する=⑴心情(気持ち)・⑵その心情(気持ち)になった理由やその心情(気持ち)の対象
・「型」=「⑵+⑴という気持ち。」=「〜ということがあったので・〜ということについて,…という気持ち。」
文字数が多くなってしまったので一度ここまでで説明を終わろうと思います。
また,機会を改めて「〜その2〜」では,今回お伝えできなかった注意点と文字数が指定されていた時にこうしたらいいですよという助言をできればと思います。
今回お伝えした内容がこちらを読まれた方にとって少しでも参考になれば幸いです。