【コラム】暗記について〜「勉強の仕方がわかりません」という質問〜
2017.10.30
面談をしていると,時々「勉強の仕方がわかりません」という声を聞きます。
そんな時には「勉強の仕方がわからないなぁ」と感じた時がどんな時だったのかを具体的に尋ねていきます。
人それぞれによって答える内容は違いますが,
今回は「覚えるのが苦手なんです」という生徒さんに対して私がどんな回答をしているかをお伝えします。
アウトプットを重視する
私自身が何かを覚える時に使っていた,そして使っている方法で有効だと思うのは「アウトプットを重視すること」です。
私だけでなく,これまでや今教えている生徒さんに同じ方法を使っていてもやはり有効だと感じます。
具体的にはどうするのか? 例えば,英単語を覚える時で説明してみます(社会や理科などで覚える時もほとんど同じです)。
まずはインプットから
まずは,インプットすることから始めます。
すなわち覚えることです。
英単語なら,まずは英単語を見て日本語で意味が言えるようにします。そして,その後で覚えたかどうかを確かめるアウトプットをします。
つまり,「インプット→アウトプット」の流れです。
この説明だと「ただ覚えてテストするだけじゃん」と一般的に行われていることと大差がないと思われるかもしれません。そこで,もう少し詳しく説明してみます。
意外かもしれない方法1~書かずに覚える~
大事なことは2つです。
1つはいきなりスペルまで書けるようにしないことです。
1つずつステップアップしていくように,
「英単語を見て日本語で意味が言える」
↓
「日本語の意味を見て英単語を言える」
↓
「日本語の意味を見て英単語のスペルを正しく書ける」
というふうに分割した方が進めやすいという生徒さんが多いです(ただ,ここは個人差があるので階段を1段飛ばしでのぼるように飛ばしで進められる人はそうしてもいいと思います)。
意外かもしれない方法2~「3歩進んで2歩下がる」~
もう1つは,アウトプットを意図的に多くする工夫をすることです。
例えば,「50個英単語を覚える」とします。
私なら,「1問覚える(インプット)するごとにアウトプットする」という方法をとります。
1番から50番まであるとして,まずは1番の英単語を見て日本語で意味が言えるようにします。そのあと,2番目にいきます。
そして2番目も同じように日本語の意味を言えるようにします。
ここで次には3番目に進まないことがポイントです。
2番目を覚えてアウトプットしたら,その後は「1番と2番のアウトプット」をします。つまり,次のような繰り返しをします。
①1番の英単語を見て日本語で意味を言う
↓
②2番の英単語を見て日本語で意味を言う
↓
③1・2番の英単語を見て日本語で意味を言う
↓
④3番の英単語を見て日本語で意味を言う
↓
⑤1・2・3番の英単語を見て日本語で意味を言う
↓
⑥4番の英単語を見て日本語で意味を言う
↓
⑦1・2・3・4番の英単語を見て日本語で意味を言う
(この繰り返し)
このようにすると,1問進むごとに1度それまで全体のアウトプットを行うことになります。これが,多くの生徒さんと違うところではないでしょうか。
多くの人がしている、あまり暗記できない勉強法
これまで見てきた多くの生徒さんは,10問とか20問とか一度に覚えてそれでまとめてアウトプットを1回するという勉強法が多かったです。
つまり、私の方法よりもアウトプットする回数が少ないです。これまで教えてきた生徒さん達を見ていていえることは、暗記するうえで大事なことの一つはアウトプットの回数の多さです。
また,中にはインプットしただけでアウトプットを全くしないという生徒さんもいます。これでは覚えるのは確かに難しいだろうと思います。英単語を覚えるというテーマで言えば,ノートの横に置いている英単語のプリントを見ながらそれを宅習ノートに書き写すだけの状態です。これだと結果的に「書いたけど覚えられなかった」ということになりがちです。
繰り返しになりますが、暗記できたかどうかは,アウトプットした回数に比例しています(例外的に,1度で覚えてしまうこともあります)。もし,「暗記するいい方法がないかなぁ」と思っている方がいたら,試されてみるとよいかもしれません。