【今日の伊藤塾】「この生徒さんはできる」と信じること
2017.11.20
勉強の仕方について,例えば,次のような質問があります。
「社会を覚えようと思うんですが,書いて覚えたほうがいいですか,それとも見て覚えたほうがいいですか?」
私の考えは,「自分(その人)に合った方法で覚えていいよ」です。
書いて覚えることと見て覚えることにはそれぞれ違いがあります。
書く方は,漢字までしっかりと覚えやすい,記憶に残りやすいです。しかし,その反面書く分だけ見て覚えるのよりも時間が長くなりやすいです。
それに対して,見て覚える方は,書く時間を省力できるのでより多くの問題のアウトプットができたり,同じ問題を2回3回と回数を増やしてアウトプットしやすいです。しかし,漢字までは正確に書けず,漢字はうろ覚えな部分が出てくる可能性があります。
要は,最後のゴールの状態(例えば「この1ページを覚える」)にたどり着けるなら,その途中の方法はどのような手段でも構いません。アウトプットする方法でも書くと見る(=頭の中で言う・小声で言うなど)の違いがあり,全員が同じ方法である必要はなくて基本的には個別に違っていいです(ただ,いま教えている中では「見る」をしたあとで「書く」をした方が最終的に記憶の定着がいいと感じていますが,それを押し付けはせず最初は生徒さんにどんな方法がいいかを聞いています)。
「家の人が子どもさんに勉強を教えているとケンカになる」と相談を受けることがありますが,自分(家の人)がうまくいった方法が,相手にとってもベストであるとは限りません。私も気をつけていることですが,最後の状態が一致するなら後は相手に一度委ねてみるとうまくいくことが多いです。
私は相手(子どもさん・生徒さん)に選択する機会をいつも与えるようにしています。それは,「きっとこの人には自分でゴールにたどり着く力がある」と信じているからです。必要な時にはアドバイスをしますが,最初から全て手取り足取りにはしないようにしています。「まずは信じて,一度任せてみること」,これでほとんどの生徒さんは大丈夫です。