【今日の伊藤塾】「…と思うけど,どう?」と提案〜前回の続き〜
2017.11.03
前回の続きになります。
大人から見て「こんな風に勉強した方がいいのになぁ」と思うのに,子どもさんが違う方法で勉強している時があると思います。
例えば,大人からすると「事前に勉強の計画を立てて,目標から逆算して計画的にした方がいい」「得意な教科ばかりじゃなくて苦手な教科もした方がいい」と思うのに,子どもさんは思いつきやその時の気分で勉強をしていたり得意な教科ばりを勉強していることがあるかもしれません。
そんな時には保護者としてどう関わった方がいいのか?
多くの場合,大人の側の考えを押し付けると相手は反発することが多いです。その結果子どもさんはやる気をなくすこともあります。
ではどうしたらいいか?
押し付けではなく,提案する方法がいいようです。
「わかった,それじゃあ,あなたが言う方法でやってみよう。その方法で2週間やってみよう。それで結果が出たらそれでいいし,結果が出なかったらまた方法を変えよう。」
そんな風な言葉をかけて提案して見ます。
そして2週間後,また進捗状況を一緒に確認します。実際に結果が出ていたらそれでいいはずです。でも,結果が出ていなかったらどうするか?
ここでも押し付けはしません。必ず提案です。
「2週間経ったけど,結果はあまり出ていないみたいだね。私はこうした方がいいと思うんだけど,どう?」
それでも子どもさんが提案を受け入れなければ,こんな風に声をかけます。
「わかった,それじゃあ,また自分なりの方法で挑戦してみて。でも,この2週間とは違う方法を一緒に考えよう。今までと同じ方法だと何も変わらないから。」
そしてまた期限を決めて,その結果どうだったのかを確認します。この繰り返しです。
要は,「痛い目にあってやり方を変えないとまずい」と本人が思わないと相手は変わらないということです。押し付けでは人は変わりません。
「自分の意見を押し付けないで相手に寄り添いながら一緒に方法を模索していく」というのは一見遠回りで時間がかかるように思います。しかし,実際にはこれが最短最速になることが多いです。
押し付けて強制的にさせても,その行動が持続しなければまた最初からやり直すことになるし,もしかするとその失敗の体験が以前よりも勉強を嫌いにさせて,よりマイナスになってしまっているかもしれません。
勉強を教えるとか勉強の方法を教えるということでも成績は上がりますが,こんな風に接し方を変えてみるだけでも相手のやる気・意欲は高まってその結果成績が上がるとも感じています。