【今日の伊藤塾】瞬間瞬間で感動していたら,いつの間にか自信がつく
2017.10.17
授業の中で数学や英語を教えている時,生徒さんが問題を解きながら「わからないなぁ」という表情をしていたり,なにも書けずに数分間手が止まっていたりすることがあります。
そんなときに,一度はしばらく考えてもらいます。しかし,「そろそろアドバイスをした方がいい頃だなぁ」という時には,なるべく正解ではなく,ヒントを教えるようにしています。
そして,教える側に依存するのではなく自分の力も使いながら答えにたどり着けるようにしています。すると,「あっ,そっか!」とか「わかったかも!」と言って止まっていた手がどんどん動いていき正解することがあります。
以前の記事でもお伝えしたように,実は「自分で決める」→「自分でやってみる」→「それで成果が出る」ことが一番本人のやる気が出る方法です。
途中でヒントを上げた時には完全に自分で最初から「自分で決める」(例えば,「この問題ではあの公式を使うはずだろう」とか「英文法のあの構文を使うんだろう」など)ことができたわけではありません。しかし,「自分でやってみる」の段階からは自力で参加することができます。
また,授業の終盤では,アウトプットする時間を設けています(過去の記事参照)。この時間では,どんなふうに解くのだったかをもう一度思い出しながら「自分で決める」最初の段階から解くことができます。
このような1問の問題の解き方だけでなく,「今日の自習はどんなことをしようか?」,「今週はなにをやり遂げるようにしたら次のテストのためになるか?」,「今月の目標はなににしようか?」といったことでも,自分で決めてやってみてその成果を確かめることは有効です。
1日の終わりでも1週間の終わりでもその月の終わりでもいいので,一度振り返ってみてください。「今日はこれが解けた!」「今週はここまでできた!」「今月はこれを終わらせることができた!」など,きっと自分で決めたことで達成できたことがあるはずです。
私が自分で「自分がこの仕事に向いているなぁ」と時々思う瞬間は,生徒さんが何かの問題を解けた時に「おぉ,それすごいねぇ!」と自然と思えることです。生徒さんはその問題を「わかる・できる」ようになった時に感動するのと同じように,私は生徒さんがその問題をわかる・できるようになって感動している,そのことに感動します。
それは,「もし,この感動が積み重なっていったら,思い込みを変えられるかもしれない」と心の中で願っているからです。