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3.小さな成功体験

【コラム】受験生が抱える悩み

2017.09.15

最近聞いた,大学受験を控える高校3年生が抱える悩みです。

なんだか自分だけが不安になっていて周りにいる人は不安じゃない気がする…

そう話してくれました。

 

もし,みなさんが学校や塾の先生で生徒さんがそんなことを話してくれたら,あなたはこの後どんな会話をしますか?

先生ではなかったとしても,自分の友達や知り合いで同じような悩みを抱えていて相談をもちかけられたらどうしますか?

 

 

「本当にそうなの?」-思い込みの可能性-

いろんな対応の仕方があると思いますが,私がとったことは次のことです。

本当にそうなの?」と詳しく話を聞いてみました。「自分だけが不安で周りの人は不安ではない気がするんです」と話してくれた時に,「っていうのは?」とか「誰か思い浮かぶ人がいるの?」とか「いつそんな風に思ったの?」といった風にその場面を詳しく思い出してもらいました

 

 

その場面を詳しく思い出す

そうすると,「周りの人」というのは自分以外の周りの人全てという訳ではなくて,特定の○○君が不安ではないような素ぶりをしているだけだったり視点を広げて他のクラスとか日本中の高校3年生とかのことを想像してみると他にも不安な人はいるから自分だけではないと思えてきました。こんな風にその時の場面を詳しく思い出してみると,意外と自分の思い込みだったということがあります。

 

 

理想の姿を想像してみる

また,その時はそういった感じで話が一度区切りがついて別の話題に移ったのですが,今思えば,その後にもう一つ聞いてみたい質問がありました。それは,「もし今の気持ちを自由に変えられるとして,本当は今どんな気持ちになっていたい?」です。

先ほどの高校3年生だったらどう答えてくれたでしょうか?「自信がある状態でいたい」とか「今は焦っているけど余裕をもっていたい」などでしょうか。

 

 

理想の姿に近づくために今からできることに気づく

そしてさらに,「そういう前向きな気持ちだったら,今はどんな風に勉強に取り組んでいそうか?」「不安でいる時の勉強の取り組み方と前向きな気持ちで取り組んでいる時の取り組み方の違いはあるかどうか,あったとしたらどう違うのか?」そういったことも質問してみたかったと思います。

そして「そんな理想的な自分の姿になるために,今からできる最初の一歩はなんですか?」と最後に聞いてみたいと思います。これが目的論的な考え方です。

 

 

自分で自分に原因論-良い点・悪い点-

「どうして自分だけ不安なんだろう?」「自分にはあれができてない,これもできてない,まだそれもしなきゃいけない」という風にこれから直したほうがいいところばかりに目を向けるのが原因論です。確かに,そういった視点で自分を批判的に見つめることにも大切な意味があります。そうすることで自分の改善すべき点を発見できてより良くなることができるでしょう。

しかし,自分で自分を責めすぎると,ダメなところが気になりすぎて取り組む意欲も下がってきてパフォーマンスも落ちてきて,パフォーマンスが落ちるからさらにダメなところが増えて…といった悪循環に陥ってしまう場合もあります。

 

 

目的論で「本当はどうなったらいいの?」と自分に聞いてみる

時には先ほどのような目的論的な考え方で,内なる自分と対話してみるのもいいと思います。よく偏ったものの見方をしてはいけない,いろいろな視点から物事を見ることが大切だと言いますが,自分を見つめる視点も原因論ばかりでなく目的論も取り入れてバランスよく見つめることが大切なのではないでしょうか。

 

もしこれを読んでいる方の中で,受験生がいたら上に書いたような目的論的な問いかけを自分にしてみてください。何か新しい気づきのお役に立てたら幸いです。

 

 

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