【コラム】勉強の成果を見える化する理由と目標設定
2017.09.08
これまで,小テストや数値化(0〜10点でスケーリング)することで,その日の成果を見える化することをお伝えしてきました。「なんのためにそれをするのか?」その目的について今回はお伝えします。
行動を継続しやすい
一つには,見える化することで「また次もやってみよう」という風に次の行動につなげやすい,やる気を維持したり高めたりすることができるという理由があります。
自信をもつことができる
もう一つは,いずれ回数を重ねて1ヶ月,2ヶ月くらい経つと毎回達成してきたことが蓄積されてきて自分が「わかる・できる」ようになったことを見て自信を持つことができるからです。
意図の設定
こうしたことは授業の途中や終わりの方で行うことですが,授業の最初に行なっていることがあります。それは「今日この100分間をどう使うか?」を生徒さんと決めることです。NLPで言えば意図の設定です。
当塾は個別指導の学習塾ですので,生徒さん一人ひとりが異なった目的・目標を持っていて,現状の成績も異なります。それを踏まえて,「今日授業が終わった時にどんな状態・結果だったら塾にいた時間が充実していたと思える?」というようなことを質問します。生徒さんもこちらも今後の学習計画表や次のテストの範囲表を見ながら話していたり,これまでの学習の記録を見ると今日はきっとここだろうなぁという予想ができたりしますが,あえて質問して生徒さんに話してもらいます(目的・目標とかけ離れていたり計画から外れすぎている場合には「こうした方がいいのでは?」と提案をすることもあります)。
「100分後に授業が終わったら,どうなっていたい?」
生徒さんとの会話の具体例を挙げてみます。
生徒さん:「数学の空間図形をします」
講師:「あっ空間図形,空間図形っていうのは? もう少し詳しく教えて。」
生徒さん:「なんか,学校で勉強していた時に,体積の求め方はわかったんですけど,表面積の求め方がいまいちわからなくて。」
講師:「表面積の求め方がわからないっていうのは,例えばどんな問題だったの?」
生徒さん:「底面が三角形で,…」
と言った風に現状わからないところを詳しく具体的にしていき,その後で「じゃあ,授業が終わった時にはどうなっていたい?」と聞いて,例えば先ほどの生徒さんの例で言えば「三角柱とか直方体・立方体とかの表面積の求め方がわかって,小テストでも8割取れるようになっていたいです」と今回の授業の目標を明確にします。そして「いいね,それができていたら自分はどんな気持ちになる?」と感情についても聞いてワクワクする気持ちを高めたり,「それをするのはなんのためになの?」と自分が今から勉強する目的を思い出してもらったりします。
意図を設定する効果は?
これまで授業をしてきて感じることは,その日の授業の目標が明確にある場合とそれがない場合とでは,その結果に違いが出ることが多いです。目標がはっきりとわかる,そして「小テストで8割を取る」などのように数値化できて計測できると,その目標を実現しやすかったりやる気が高まったりします。
言われてみると,当たり前のことかもしれないですが,自分一人で勉強する時にはあまりできないことかもしれません。自分の話を聴いてくれる人がいるから改めて話して,話す中で自分がしたいことに改めて気づかされるということもあります。