【コラム】内的葛藤・外的葛藤〜ブレーキは外さない〜
2018.06.25
この投稿を5秒で理解
・「ダイエットをしたい」という自分と「ダイエットを止めよう」というもう一人の自分とが葛藤する場合がある。
・大切なことは,「止めようとするもう一人の自分は居てもいい,きっと止めるのには肯定的な意図があって,進もうとする自分に何か大切なことを伝えようとしてくれている」と考えてみること。
・車は,アクセルだけではなくてブレーキもあるからこそ,安全に乗ることができる。
***************************
今回は「葛藤」というテーマについてお伝えします。
葛藤とは,「対立すること」だったり,「心の中で相反する思いが同時に起きて,どちらを選ぶかを迷うこと」という意味です。
皆さんにもそうした経験はないでしょうか?
内的葛藤〜「自分」と「もう一人の自分」〜
葛藤には内的なものと外的なものとがあります。
内的な葛藤とは,「自分」と「もう一人の自分」との葛藤です。
例えば,
「ダイエットをしようとする自分」と「ダイエットを止めようとする自分」だったり,
「ゲームをやめたいという自分」と「ゲームをしたいと思う自分」だったりします。
葛藤は生じてもいい〜全体論〜
アドラー心理学では,「自分の中に矛盾はない,全て調和がとれている」と考えます。
それが全体論という考え方です。
例えば車を買ったとします。
その時に,ブレーキは必要ないと考えて取り外す人はいないはずです。
ブレーキも含めて全体です。
そして,ブレーキがあるからこそ,車を運転する時には安全に進むことができます。
だから,止める自分があってもいいのです。
自分ともう一人の自分とが対立してもいいし,
自分を責めるもう一人の自分が出てきてもいいのです。
「止める自分(ブレーキの役割の自分)を無くさなきゃ」と思わなくてもいいのです。
むしろ,あっていいと考えます。
「止めようとする自分」には肯定的な意図がある
そして,ここで大切なことは,
「止めようとする自分は何かを教えようとしているんだ。教えてもらおう」
と考えます。
つまり,「止めようとする自分の肯定的な意図があるはずだから,それはなんだろうか?」
と考えてみます。
上のダイエットの例で言えば,「ダイエットを止めようとする自分(ブレーキの役割)」は,もしかしたら,
「ダイエットを始めたら,美味しいものを食べていい気分になる時間がを大事にしたい」と教えてくれているのかもしれません。
もし,そうしたことに気づくことができたら,
「じゃあどうしたら,『いい気分』になる時間も大切にしながら,ダイエットを続けることができるだろうか?」と考えていくことになります。
大切なことですので繰り返しますが,
「止めようとする自分」は肯定的な意図によって危険を知らせてくれているだけであり,
その危険が回避できるなら,その行動(例えばダイエット)を行ってほしいと考えているということです。
外的葛藤〜「自分」と「他人」
外的葛藤,すなわち自分と他人との葛藤においても同じです。
色々な考え方の人がいてこそ,より良いものができる,そういう風に考えることもできます。
こんな風に考えてみると,少しは心が楽になり,幸せに生きられるのでないかというのがアドラーの教えです。
読まれた方にとって少しでも何かの参考になれば幸いです。
************************
最後までお読みいただきありがとうございました。
************************
Facebook:https://www.facebook.com/itojuku/