【コラム】スケーリングの効果〜学習の場面でも使ってみよう!〜
2018.02.22
【要点】
・「テストどうだった?」と聞くと,「できた」or「できなかった」の2択になりがち。
・でも,「今回のテスト,10点満点で言ったら何点だった?」と聞いていくと相手の返事に深みが増す。
「テストどうだった?」
定期テストや○○模試が終わった時などに生徒さんに質問することです。
すると、こんな答えが返ってくることが多いです。
「いや〜,難しかったです」
「今回はダメでした」
向上心が強くて自分に厳しい性格の人が多いためかもしれません。また人は「良いところ」よりも「悪いところ」に先に気づきやすいです。
例えば、ある友達の「良いところ」と「悪いところ」を10個挙げるとしたら、先に「悪いところ」が埋まってしまうということはありませんか?
スケーリングを使わないとどうなるか?
上のように「どうでした?」と質問すると、多くの場合、「良かった」か「悪かった」(もしくは「まあまあでした」)の2択(もしくは3択)の答えになります。こんなふうに、良い・悪いの2択で終わってしまいがちです。
でも、実際にはそんな単純に2択で片づけられないのではないかと思います。
スケーリングを使った質問だと,2択の答えにならない
そこで、次のような質問をしてみると、相手の返事に深みが増してきます。
「じゃあ,10点満点で点数をつけるとしたら何点ですか?」
こう質問すると「3点です」とか「5点です」とか「6点です」といった答えが返ってきます。
つまり,大まかに「どうでした?」「どうですか?」と質問すると,まるで全か無かのように「できる」「できない」の2択で答えます。
でも,点数をつけるというスケーリングを使うと,そのゼロから10までの間の自分の位置を答えてくれます。
スケーリングの効果
スケーリングをしない場合だと,自分の「できていないところ」に意識が向かいがちです。例えば、
「ダメでした」
「まだまだです」と返事をしがちです。
しかし,スケーリングをして例えば「3点です」と言われたとします。
その時に
「おっ,3点!いいね,その3点の中身って何なの?」
と質問すると,「自分のできたところ・できているところ」に意識を向けて話してくれます。
そして,この「できたところ・できているところ」に意識を向けるとそれが増えるというのが目的論的な考え方です。以前にも紹介した,自動車や折り畳み自転車の例え話です。
自分で自分を責める思考が多い,そのせいで気が滅入ってやる気がなくなっているということを経験したことがある人は,スケーリングの効果を試して見てください。
Facebook:https://www.facebook.com/itojuku/