【コラム】新しく目標を立てて頑張り始めた人へ〜結果ではなく行動に意識を〜
2018.01.29
【要点】
・「今日は○○をする」と決めたとして,例えそれを達成できなかったとしても大丈夫。
・毎日の成果・結果ではなく,「今日も○時間勉強した」という行動を意識する。
・それが三日坊主にならないコツ。
新たに目標を立てて勉強に取り組み始めた人がいるとします。そんなふうに新しい取り組みを始めたときに意識したいことがあります。それは,結果ではなく行動に意識を向けるということです。
結果はコントロールできない
目標を立てて頑張ったとしても,必ずその目標が達成できるとは限りません。つまり,結果はコントロールできません。例えば,「○○という学校に合格する」「次の試験で○○点を取る」「次のテストの番数では○○番以内に入る」などといった目標を立てたとします。それに向けて頑張った人に対してそれが実現してほしいというこちらの気持ちはありますが,絶対に実現できるとは言い切れません。
では,「目標を立てることは意味がないのか?」「最初からできないと思っていたらできるものもできなくなるのではないか? 」など皆さんがそれぞれに思うことがあると思いますが,ここで提案したいことは次のような考え方や取り組み方です。
結果よりも行動の方がコントロールできる
大事なことは,結果にばかり意識を向けすぎない方がいいということです。上でも書いたように結果はコントロールできません。しかし,行動はコントロールできます。
例えば,志望校に向けて受験勉強を始めた人がいたとします。それに向けて「今月は○○という英語の参考書を終わらせる」「そのために今週はこの参考書の○ページまで終わらせる」「だから今日は○〜○ページまでを終わらせる」と計画を立てます。その時に,その日の分を終わらせ続けることがその1週間・1ヶ月・1年間でき続ければいいですが,そううまくいく日ばかりではありません。予想以上に難しくてなかなかページが進まなかったり他の教科の勉強や学校の宿題が多くてその参考書を勉強する時間が取れなかったりすることも考えられます。
結果に意識を向けすぎると起きる問題–三日坊主–
結果にこだわりすぎると,それが達成できなかった時に人は落ち込みます。
「今日はここまでやるって決めてたのにできなかった。自分ってダメじゃん」
「ここが理解できないってことはこの先も理解できないかもしれないってこと。だったら自分にはこの参考書を終わらせることなんて無理なんじゃないの」
こんなふうに結果にこだわりすぎると,それができなかった自分を否定したり,諦めたりしてしまいやすくなります。これが三日坊主が起きる仕組みだと思います。
では,行動に意識を向けるとどんなことが起きるのか?
–行動の継続–
「今日は○ページを終わらせる」という結果はコントロールできませんが,「○ページを終わらせるために勉強する」という行動はコントロールできます。そして毎日意識したいことは,「勉強した」という行動に意識を向けることです。そうすると,
「今日も2時間勉強した」
「他の宿題があったり学校行事があったりして今日は時間がなかったけど,それでもこの参考書を勉強する1時間は確保してやったな」
というふうに思えます。そうするとやれている感じが本人の中に出てきます。その結果,「また明日も続きをしよう」と思えて行動を継続しやすくなります。結局,三日坊主は起きづらく,目標を達成しやすくなります。
社会人になってから始めた人もいるかもしれない英会話や,何かの資格を取るための勉強などでもそうですが,大切なことは継続することです。そして継続するためには,日々の計画を終わらせていくことよりも,「また明日も頑張ろう」という意欲をいかに持ち続けられるかが大切です。目標は覚えてはいるのですが,それを一度脇に置いて日々最善を尽くす,そうすると自然と結果がついてくるというイメージです。
結果にフォーカスすると起きること,行動にフォーカスすると起きることのそれぞれを見てきました。今回の投稿がこれを読まれている方の何かのヒントに,そして少しでもお役に立てれば幸いです。