【今日の伊藤塾】質問「どうやったら英語の長文を解けるようになりますか?」
2017.10.27
生徒さんに英語を教えている中で,県立高校入試を控える中学3年生から今回のタイトルにあるような質問を今日受けました。これに対してどんなふうにお答えしたのかを今回はお伝えします。
私の答えは,英単語の語彙を増やすことと中学校で習う英文法を理解して覚えることです(ありきたりな回答かもしれないのですが)。そして,長文を読んでみて一文一文訳せるようになっていくことです。まずはこれが一般的に言う「王道」の勉強法なのではないでしょうか。そして,長文を定期的に読む練習をする中で,自然と読むスピードが速くなって,意味も正確に読み取れるようになっていくのが理想だと思います。
それが「王道」とわかった上で,「こうしたことを知っておくと読むのが少し楽になるかもしれないですよ」と言うことをいくつか補足してみると,次のようなことが挙げられると思います。
・英文を読むときに,「前置詞+名詞」とか「関係代名詞が作る名詞節」などのカタマリを見つけてそれがどこを修飾しているかを考えながら読む
・全文を最初から読み始める前に,各パラグラフ(段落)の最初の一文と最後の一文を読むとよい(理由:英語ではパラグラフの最初か最後にそのパラグラフをまとめる一文が書かれていることが多いから)
・意味を覚えていない単語があったとしても,前後から推測してみる
・「この文章のまとめとしてふさわしいものを1つ選びなさい」という設問が付いているなら,その選択肢を先に読んでこの文章のテーマや大まかな話をつかんでから読み始める
まずは,「王道」の勉強法をとって基本的な力をつけた上で,補足として「少し楽になるかもしれない読み方」を取り入れてみるのがよいと思います。
世の中には「唯一絶対の正しい勉強法」はないです。本や人から聞いた,自分にはあんまり合わない勉強法を三日坊主でやってみるよりかは,少々正しくない勉強法をしていたとしても,その人がやりやすい方法で,成績を上げたいと思って毎日取り組む方が成果が出ます。
ある程度までは,正しい方法よりも大量行動の方が成果が出ます(そのやり続ける原動力が「やる気」です)。
「この方法で合っているかなぁ」「間違った方法を採用して時間を無駄にしたら嫌だなぁ」と思う気持ちはわかります。しかし,三日坊主ではなく成果が出るまでやり続けられる人の多くは,そうした方法の心配や不安を感じつつも,すでに動き出していることの方が多いように思います。
アドラーの「感情には目的がある」という考え方を下敷きにしてこれを分析してみると,「勉強をしたくない」という目的を達成するために「方法が心配だなぁ」という不安の感情を作り出しているとも言えるかもしれません。この教室での活動が,少しでも生徒さんの最初の一歩を踏み出す勇気につながればと思います。