【コラム】県立高校一般入試(H30年度)の結果分析から〜英語編〜
2018.07.16
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■この投稿を5秒で理解
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✥合格者の英語の平均点は,56.3点で,70点以上を取った人は全体の35.0%だった。
✥大問ごとに見てみると,リスニングの正答率が76.7%と最も高く,反対に,長文読解が46.5%と正答率が最も低かった。
✥正答率が最も低かった長文読解について,「こうしてみるとどうか?」というアドバイスを最後にさせてもらった。
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以前は,県立高校入試の数学についての投稿を書きました。
その時と同様に,今回も宮崎県教育研修センターの発表(http://mkkc.miyazaki-c.ed.jp/research/highschool/index.htm)によるデータを元に,どのような分析の結果が出たのかを見てみようと思います。
今回も,約4ヶ月前に行われた,最新の入試について見てみます。
合格者の英語の平均点と得点の分布
発表されたデータを列挙すると,以下のようになります。
・合格者の平均点は,56.3点。
・100点満点のうち,70点以上の人数は,全体の35.0%。
・全体の中で,40点台の人が最も多く,40点〜49点の人が全体の15.6%。
学校の中で行われる定期テストとは違い,試験の範囲が中学1年生から3年生までの広い範囲になっています。
地区実力テストや校内実力テストを受験してすでに体感していると思いますが,
80点以上を取ることは,そう簡単なことではありません。
大問ごとの正答率
以下が発表された大問ごとの正答率のデータです。
・大問1 リスニング 76.7%
・大問2 対話文読解 73.5%
・大問3 文章読解・活用・表現 54.9%
・大問4 表現力 52.3%
・大問5 長文読解 46.5%
こうして見てみると,やはり長文読解の正答率が最も低いです。
面談でも,生徒さんから話を聞くと「長文が苦手です」ということをよく耳にすることとも一致します。
反対に,リスニングが最も正答率が高いようです。
過去4年間と比べて見ても,リスニングの正答率が年々高まってきています。
最も正答率が低い長文読解について〜その理由〜
英語の長文読解が苦手だという人は,中学生に限らず,大学入試を受験する高校生たちからもよく耳にします。
「なぜ長文読解は正答率が低いのか?」ということについて,ここからは私の推測を2点書いてみます。
①問題を前から解いていき,問題冊子の最後にある長文読解のページは後回しにされて時間が足りなくなっている
②長文を全て訳そうとしていて,大意をつかみ取ればいいのに,細部まで厳密に訳そうとして時間が足りなくなっている
他にも理由があるだろうとは思います。ですが,この2点はほとんど外れていないだろうとも思います。
長文読解についてのアドバイス〜私の方法〜
これは,中学3年生までに習った英単語や英文法を7割以上覚えているのに,長文読解の点数が伸びないという方へのアドバイスです。
もし,自分が①に当てはまると思った方は,時間配分を考え直してみるのがいいです。
そもそも時間配分を計画していないという人がいるなら,まずは自分で時間配分を計画するところから始めてみてください。
そして,時間配分は②とも関係してきます。
真面目な人ほど,長文の全てを訳そうとします。
しかし,途中でわからない英単語や訳せない部分に出会うということは仕方がないと,最初に思っておく方が良いです。
そして,訳せない部分は一度保留にして,
「きっと前後が訳せれば,その保留にしているところもある程度推測がつくはずだ」
と思って次に進むのが良いです。
これが「前後の文脈からわからないところを補う」という読み方です。
時間の配分を考える時には,「全てを訳すために必要な時間」ではなく「大意を取るために必要な時間」を考えて計算してみてください。
また,平成30年度の問題のように,長文読解の問題の中には,
「本文の内容に合っている物を,次のア〜オから2つ選び,記号で答えなさい」(大問5の4)
という設問があります。
長文を読み始める前に,こうした選択肢に30秒〜1分ほど目を通しておきます。
すると,それだけでも,
「あっ,この長文は,だいたいこんな話なんだなぁ」
ということがわかります。
それだけでも少しは読みやすくなるだろうと思います。
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最後までお読みいただきありがとうございました。
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