【コラム】勉強を頑張ろうという人にできること〜寄り添うこと〜
2018.01.22
塾で勉強を教えている時,相手(生徒さん)に「これができるようになってほしい」「この教科の成績をあげたい」というこちらの思いが強すぎて,相手の気持ちや希望を全く聞かないで指示を出すと,かえって相手の意欲(やる気)を下げてしまうことがあります。
「押し付けられた仕事」ではやる気が出づらい
皆さんも過去を振り返ると,押し付けられた仕事ではやる気がわかなかったりなかなか行動に移せなかったりしたことはないでしょうか? 私の場合,親から決められた習い事(例えばそろばん)は途中でやめたくなりやめてしまいましたが,自分が決めたことや好きなこと(例えば大学生になってから好きでしていたアルバイト)は持続しました。
自分のゴールや理由があるとやる気が出やすい
意欲(やる気)が持続するために必要だと思うことは,その人本人が自分で決めるということです。
そして,「○○高校に合格したいから」「将来○○という職業に就きたいから」というゴール(行き先)や「勉強がわかってくると楽しくなってきたから」「今までわからないところをほったらかしにしていたけど勉強し始めるとちょっと面白くなってきたから」という理由なども,他人から押し付けられたものではなく自分の内側からわいてきたものであれば,さらに意欲(やる気)が持続します。
塾生の全員がこうなってほしいと思いながら普段の授業を通して関わっています。
他者ができること〜相手がやる気を出せるために〜
このような,他者からの押し付けではなく本人の内側からわき出る思いを本人が自覚するために必要なことは,他者が相手の気持ちに寄り添うことです。塾に来る生徒さんたちに多いのは,たんに勉強を教えるだけ(ティーチングだけ)だと,自分のゴールが定まりきっていなかったり,理由があいまい(もしくは「親に行けと言われたから」という他人の考えの押し付け)だったりします。その状態のまま教えることもできますが,その後の様子を見ていて思うことは,ゴールや理由がはっきりしている生徒さんほど教えたことをよく覚え,その結果成績の伸びやすく,それがまたやる気をさらに高めるという好循環になりやすいということです。
よく思うのは,「人が変わるのは自分で決めたときだ」ということです。そして,その「自分で決める」ことのために他者ができることは「寄り添うこと」です。またこれからも相手に寄り添って話を聴くことで,一人でも多くの人にいい影響を与えることが出来ればと思います。