【コラム】ピグマリオン効果とは?
2017.08.28
ピグマリオン効果という言葉を聞いた方はいらっしゃるでしょうか?
ピグマリオン効果ってなに?
その言葉の意味を,簡潔に言うと「生徒さんは教える側の人間が『この生徒さんは伸びる』と思って接すれば実際に成績が伸びて,反対に『この生徒さんは伸びない』と思って接すれば実際に成績が伸びなくなる」ということで,現状の生徒さんの成績が良いとか悪いとかは関係がありません。もっと詳しい内容が知りたければ,インターネットで検索してもいろいろと情報を手に入れることができますので,ご興味がある方はご覧になってください。
目的論との関係
さて,このピグマリオン効果と近いと個人的に思っているのが目的論的な接し方です。目的論的な接し方とは,まず「この生徒さんにどうなってほしいか?」をこちらが考えます。そして,「こういう行動が増えてほしい」と思うことを決めます。そして,教室に入って来てから帰るまでの時間の中でその「増えてほしい行動」を発見したらその行動を指摘します。
例えば,「苦手な教科なのに集中して問題解いているね」「宿題もきっちりやって来て真面目だね」「授業以外も自習に来て頑張っているね」などです。
こういった接し方とは反対の接し方が原因論的な接し方です。
「どうして得意な教科しか勉強しないの?」「どうして宿題しかしないの?」「どうして時間があるのに塾に授業だけしか行かないで,自習には行かないの?」というように「どうして」と原因を追求する言い方や接し方をしてしまうと,今度はそれが「行動を指摘する」ことになってしまい,再びその「増えてほしくない行動」が繰り返されてしまうということがおきます。
原因論と目的論を意識して使い分ける
確かに,授業の中では原因論的に分析してどこができないかを探して,そこをピンポイントで教えることでより早く効果的に勉強がわかる・できるようになります。しかし,その原因論的な考え方を用いていいのはティーチング領域でだけの方が良いようです。
教科の内容を離れて,普段の勉強の仕方・勉強に向かう姿勢(心構え)・やる気・態度などについては,目的論的に関わる方が生徒さん本人にとってよりやる気を高めたり維持できたりするように感じています。
ご家庭にお子さんがいらっしゃる方がいましたら,ぜひ目的論的に接することを試してみてください。